Winnyについての私見
P2Pの重要性はわかるし、すべてをメールで処理できない現在、とても便利なものだと思う。しかし、Winnyほどのものは必要ない。
Winnyは驕っていた。金子氏(以下、作者)逮捕数ヶ月前から身辺騒がしく、何度も事情聴取には応じており、逮捕の1年前にはすでに警視庁に対Winny検索システムがある。これは法廷論争などでも証拠として出ることはないだろうが、著作権侵害のものかぐらいはすぐわかるようになっていた。あれからも改良され続けているので、現在どこまで特定できるようになっているのか想像がつかない。利用する人は注意して使われたし…。
P2P擁護派のひとつの意見に“アメリカでは認められている”というものがある。これは記事の意味を理解できないジャーナリズムの暴論である。これらの記事を読むと中央サーバを介するものには許可が下りているとは読める。しかし、中央サーバを介さないものについては判例そのものがない。そもそもP2Pが脅威となるようなソフトウェアは世界にWinnyしか存在していないのだ。その意味ではWinnyが世界最初の判例となったわけだ。
作者の法廷に証人として出廷したSFC村井純助教授はP2Pを擁護はしたが、報道されたものを読む限り、かつての冴えはまったくないように感じる。ボケてしまったのかもしれないな。
私はWinnyが嫌いというわけではない、ただ作者の思想が気に入らないだけだ。作者も認めているようにWinnyには瑕疵*1がある。ウィルスも消せないのだ。私見では作者の思想にも瑕疵がある。ぜひ治療してから出所していただきたい。
Winnyが世界で成功するために必要だったことは、著作権侵害を後押しするためのソフトウェア開発ではなく、Winny自体を法的保護してもらうためにはどうすればよいかを考えることだったのではないかと思う。そうしていれば犯罪者とはならず、日本発世界のヒーローになったのではないかと私は思うのだが…。
*1:放流したものは消せないというもの
歴史と証言
個人的感想だが、歴史で証言を重視すると思想的デッドロックにはまる。私はその理由を“個人の哲学が一生揺れ動かない人がいないから”と分析している。
清朝最後の皇帝、溥儀はその一生を長いものに巻かれることで生きてきた。清朝が倒れて、満州族が満州に戻った頃、建国で日本を褒めちぎった。最後には中国共産党に洗脳され、日本批判をしている。弟の溥傑はそんな兄の生き様を批判しているようだ。
戦争体験者として有名な人も、戦後のアイデンティティ確立に失敗し日本軍批判に大きく舵を切った人が多い。ところが無名の戦争体験者とは違った証言であることが多いようだ。NHKの歴史番組取材班がやはり同じような感想を漏らしていた。“有名な方のところで取材して、ウラをとろうと周辺の方々に取材すると、その有名な方の証言がウソであることも多い。”と言っていた。
証言を軽視するのではない。職業として元日本軍と名乗る人だけでなく、誰がいつどこで何のために発言したものかわからない証言は何であれ疑う。いくつもの史料をつきあわせて考えてみる。それは歴史を学ぶものの良心である。
外資企業が日本で成功するには?
私はVodafoneがとても嫌いだ。外資臭さがとても強いからだ。日本の商習慣をよく言う人がいるが、実のところそれはあまり関係ないと思う。Softbankも日本の商習慣はあまり守っていない気がする。問題は“日本企業になろうとしない外資が日本で成功したためしがない”ということだ。私は常々、「Vodafoneは日本撤退がありうる。」と言い続けていたが、今回の騒動は予想できたものだった。褒めるところを探してみたが、去り際は外資らしく鮮やかなことぐらいしか思いつかない。その点は、いい企業に売ったな。という感じがしている。私はSoftbankが好きなわけでも嫌いなわけでもない。かといって特に歓迎してもいない。ついでにいえばeAccessは気に入っていない。IPモバイルは未知数すぎてなんともいえない。資金的体力があるのかどうか?名前を見ている限りeAccessよりはましかもしれないなーという感想を持っている。
日本で成功した外資を見れば、成功する秘訣はおのずと見えてくるだろう。P&G*1・コカコーラ・マクドナルド、どれも日本法人が商品開発に大きな権限を有している。これらは(意味はないが)東証にいつ上場してもいいぐらいの日本企業といってもいい。これにひきかえ、Vodafoneは日本のトップがコロコロ変わった。お家騒動のようにも見えた。端末のリリース時期が集中しすぎて自社同士で食い合った。日本人を全く見ていない。市場を軽視しすぎた順当な結果であろう。
*1:プロクター&ギャンブルズ 米
会社は誰のものか?
会社は4者のもの。
株式会社というシステムは他人の金を運用するところからスタートしている。そのため会社は株主のものという錯覚にとらわれる。最近テレビでは村上さん*1やほりえもん*2がそんなことを言っている。ところが実際にアンケートをとってみるとどれもどれな答えが返ってくる。これらのパーセンテージはここでは紹介しない。
- 株主
- 代表(取締役) CEO
- 社員
- 顧客
株主が会社を何でも出来たとすると、アメリカでは独占禁止法は通らなかっただろう。アメリカ人には“石油王ロックフェラーが石油のために鉄道会社をつぶした*3”という意識の事件があり、アメリカ人が独占禁止法を支持したのだ。ロックフェラーの会社は解体され多くの石油会社になったが、高速鉄道による公共交通の時代はやってこなかったことは確かだ。
昨年、やはりこの問題を取り上げたテレビ番組があり、アメリカの小さな航空会社のCEOのインタビューがテレビに出ていたことがある。それによると、「私は会社は社員のものだと考えています。株主にもそう答えています。」とはっきりと言っていた。女性社員にもインタビューがなされていたが、「ここで働くのは楽しいわ。」のようなことを言っていた記憶がある。会社は株主のものであるという意識がないCEOもいるのだ。むしろ口では株主のものと言っておきながら、そういう意識がないほうがメジャーなのかもしれない。私が思うに、会社が大きいか?上場しているか?社会貢献度が高いか?公共性が高いか?によって上の4つの要素のパーセンテージが変わるのではないかと考えている。
中国は反日なのか?
中華*1の思想的特長 中華思想
尊大なまでの大国意識のこと。中華思想では、中華*2以外には野蛮人が住むことになっている。方角ごとに名前があるが。東西南北それぞれに東夷*3西戎*4南蛮*5北狄*6という名前がついている。中原を制覇したものが天子もしくは皇帝となる。
中国は本当に反日なのか?
思想的に見れば現在も大きく変わっていない。中国は中国共産党一党独裁による中華思想を継承し、いかに蛮族を従わせるか?中原を守るか?を考えている。東夷である日本なんてどうでもいいのである。中国は独裁政権のためそもそもデモが許されていないが、反日デモだけが許されるタイミングがある。それが党の分裂を食い止める手段の1つであるからである。中国人にはもともと指桑罵槐(しそうばかい)という成語があり、本当の矛先を指差すようなことはしない。つまり日本は矛先ではない可能性が高いのである。おそらく反日デモは隠れ蓑であり、プレッシャーを与えたい対象は中国共産党内部か、人民軍にあると思われる。内紛と考えたほうが正確ではないだろうか?
靖国神社や歴史教科書は中国共産党の最も利用しやすい位置にある。日本人は中国のこういった背景を理解するべきである。中国人が靖国を本当に考えているのならば、反日デモをした中国人のアンケートに「靖国には遺骨があるから…」などという勘違いをしはしないだろう。中国には日本のような自然信仰はなく骨を信仰するため、神道の合祀・分祀という概念は理解できない。日本が正しく中国を理解することができ、中国が日本を正しく理解することができなければ日中友好はない。現在はスタートラインにすら並んでいないのだ。
没落するフランス
コーヒーはエスプレッソ?
私はコーヒーをよく飲む。エスプレッソもよく飲む。基本的にこれらの違いはわかるつもりだ。コーヒーは基本的にコーヒー豆をドリップしたもの。エスプレッソは圧力をかけて蒸気でいれたもの。缶コーヒーや何かで“本格コーヒーのエスプレッソ”などという表現を見ると、こんちくしょーめ!文章を書いたやつ出て来い!!などと思ったりもする。コーヒーとエスプレッソはコーヒー豆を使った別の飲み物なのだ。
ちなみに、フランスでカフェといえばドリップコーヒー。イタリアでカフェといったらエスプレッソのこと。英語では厳密な区別をしないが、現地では全く別物として区別しているようだ。カフェオレはドリップコーヒーにミルク。カフェラテはエスプレッソにミルク。カプチーノはエスプレッソにホイップミルク。が基本である。
本格コーヒーがエスプレッソだと書かれるのは、イタリアにいいとこをもってかれてしまった証拠かもしれないなぁ・・・などと思ったりもする。
ユーロは大失敗だった。
ユーロによって経済圏が拡大した反面、各国の通過は地域通貨となってしまった。フランス・フランは2002年に廃止され、使うことも許されていない。フランスは産業がないためユーロのけん引役とはなれず、大きな代償を支払うことになった。
失業率20%
日本の沖縄で失業率が9%、北海道が6%。その他は5%以下である。パートやアルバイトなどの制度が整っている日本とは単純な数値比較はしにくいが、フランスが自信を持って産業といえるものは観光しかない。ヨーロッパ中央銀行の発行するユーロが通貨となってしまったために、ヨーロッパのどこに工場を作っても一緒になってしまった。であれば、わざわざ高い賃金のフランスに作るよりも、旧東ドイツなどの旧東側に作りたがるようだ。労働者は国境を越えて仕事を探すのは当たり前となってしまっているようだ。
失業者対策を全く考えていないわけはない。しかし、フランスは1カ国でヨーロッパ中央銀行を動かすことが出来ないため、独自の金融政策を打ち出せずにいる。仕事のない不満などで暴動なども起きる。フランスは有名な外人部隊があるが、傭兵としてもっとも多い国籍はフランス人だそうである。そこまで困窮してしまっているのだ。
物価高
ユーロになる以前のフランスを訪れたことのある人は、食べ物が安くておいしい歴史ある街みたいなイメージがあると思う。実際そのとおりだったらしい。旅行会社の人から最近聞いた話はまったく違っていた。食べ物はカードでしか決済できなくて高くて歴史だけしかない街になっているそうだ。フランスに行くにはクレジットカードを忘れないようにね…。