インターネットは資本主義に遷移した

この文章は他の文章の例にもれず、直前に何の参考図書もWebも見ず、すべて私の頭の中にあるものである。文章の不出来などは容赦いただきたい。また数字などは違うと思われる。主に流れを優先する。

アメリカのインターネットの歴史

日本とアメリカのインターネットの歴史は違いますが、アメリカはARPA*1という団体がARPANET*2というネットワークを構築したことにはじまるとされる。

東西冷戦の遺物

東西冷戦時代にアメリカが核戦争が発生したことを想定し、最も狙われやすく混乱しやすいのは通信回線であると予想から、経路を網の目のように張り巡らされたネットワークを構築。通信不能の部分を自動検出して、迂回して通信させることを考え付く。それが実体化したのがARPANET。数台のコンピュータがパケットという小さい単位で通信すれば、回線を占有して通信がされないなどといった不都合が回避されるといったことも考えられている。

インターネット共和国

最初は大学間でつないでいるうちに接続に無理が生じ、インターネットプロトコル*3に移行する。インターネットのサーバにUNIX系になったのもこのころではなかったかと記憶している。
国家予算でできたプロジェクトのため、プロトコル策定にあたって国家の機関が介入してくる可能性があった。そのため、RFC*4という文章を配布していた。このRFCに従っていれば、多くのコンピュータが相互間接続に成功するというはらづもりである。そのはらづもりは成功し、世にも珍しいインターネット共和国が誕生した。
インターネット共和国は共和制なので、絶対君主が存在しない。ネットワークが貧弱で、サーバが不安定で、ソフトウェアが未熟だった。民度は非常に高く、そのテクノロジーに強い人々の知識と好奇心と行動力が不可欠だったのである。RFCはそういう人々*5にメンテナンスされ、場合によってはソフトウェアの作成が先、RFCの作成のほうが先になることもある。もともとRFCにかかれたものも技術的に意味を失っているものが多く、すべてのRFCを守るソフトウェアは論理的に実現不可能ということからもわかるように、RFCと運用がぶつかりあったときには運用を優先し、新たにRFCを書きおこすなどの作業をおこなっている。RFCは絶対のものという認識を持つ左翼系インターネット初心者がたまに見受けられるが、これは大きなまちがいである。

日本のインターネット

JUNET共和国

日本のインターネットは慶応湘南藤沢の村井純助教授が日本中に引っ張りまわった大学間+αのネットワークである。*6
このネットワークは商業での利用を禁止していたため、接続した企業が合法的にメールなどで仕事の依頼や受注をすることができなかった。実際にはあっただろうが、非合法であった。
このネットワークはメールの到着に関しても確実さがとぼしく、たいした情報もなく、外資系の企業で海外とのメールのやり取りなどが必要な企業ぐらいで、日本の企業はパソコン通信Nifty-serveでやりとりをしていた。

1995年

1995年はすごい年だった。

インターネットのブームはまだ来ていないが、

  1. 個人でも入ることのできる価格のISP*7
  2. OS Windows 95Macintoshなど*8
  3. ブラウザ NetscapeIE*9
  4. E-mail

パソコンにこのようなものがそろった。
もちろん道具がそろっただけでWebにはたいした情報はなくNiftyのほうがはるかに快適だった。それでも、この時期にインターネットを知った人でインターネットの未来について疑う人はあまりいなかった。

インターネット資本主義

この後の歴史は日米あまり変わらない。相互接続の重要性やRFCの重要性が議論されるが、中身のあるものはほとんどない。通信回線やOSやソフトウェアに商業資本が投下され、バンド幅やレイテンシの改善、不安定なソフトウェアのバージョンアップがなされたからである。接続エラーやタイムアウトやあて先不明が何の問題もないのに発生していた状況が徐々に改善されていった。初心者向けの本もでてくるようになってきた。
パソコンで変わってきたことといえば、ブラウザやオフィスソフトなど商用アプリケーションははじめから国際化された状態で開発されるのが一般的になった。
多額の商業資本が投下されたため、あらゆる戦争がおこってはおちついた。以下に2つの戦争の例をあげるが、どちらも多数決によって勝者が決まるとおもわれる。現時点ではどちらも完全勝利には程遠いが、競ってより利用しやすいものに変わってきていることだけは確かである。

ポータル戦争 検索エンジン戦争

ポータルとはブラウザで表示したときに最初に開くページのことである。もっとも収益の良い企業はポータル戦争に勝った企業だった。それは各ページに広告を挿入し、収益を稼ぐテレビのコマーシャルと同じビジネスモデルが利用されたからだ。
ポータル戦争がほとんど終わりをつげ、インターネットに散らばる情報を効率よく拾い上げるものが検索エンジンである。
この勝者は長年Yahoo!であったが、最近はgoogleがその地位を脅かしている。

メッセンジャー戦争

ブラウザやメールだけではたりないコミュニケーションを補うために、ICQ*10などのメッセンジャーが登場してきた。
現在、主要メッセンジャー

あたりだろうか、最初にできたICQは資本不足でAOLに吸収され、あまりバージョンアップをせずそのまま飼い殺しとなったため、ユーザーがより使いやすい別のものに移っていった。
しばらくこの3つで覇権を争っていたが、最近になって無視のできない2つメッセンジャーが生まれた。

どちらもIPフォンのように使える音質のいいものである。最終的にどれが残るかはユーザーを獲得して多数決で決まるようになってきている。

*1:時代によってはDARPAに組織改組

*2:DARPAに改組されたときはDARPANETという名称

*3:TCP/IPなどのIPといわれる部分。ARPAをインターネットの祖とするよりこちらを祖としたほうが実態に近いかもしれない。

*4:Request for Commentの略。意訳「お願いします守ってね」という意味

*5:ハッカーHackerと呼ばれた人たち 当時は貧弱なリソースの運用管理が優先だったため、未熟なソフトウェアをとそのデータを本来の動作に近く保たせる行為はいいこととされていた

*6:JUNETといわれていて、JUNという自分の名前をつけたとも言われてもいる。

*7:インターネットプロバイダとか単にプロバイダとか呼ばれていた。

*8:OS/2 Warp

*9:Plusパックという別売アプリケーション集にInternet Explorerのversion 1がはいっていた

*10:I seek youのもじったもの。イスラエルの会社発

*11:AOL Instant Messenger